あひるの空 28巻 日向武史 講談社
マガジン(講談社)じゃないと、こういうストーリーは描けないのだろうなと思います。
逆に言うと、マガジンだからこそ、こういうストーリーが描けるのだと。
現実的な意味での悲壮感や葛藤、その上での行動が本人や周りの立場で濃密に描かれる。
「全く同じ状態では無かったけど、この考え方は凄く分かるし、同じことを思ったことがある」
という部分がこの巻では他の巻に対してとても多かったです。
自分としては
「リアル(井上雄彦)」よりも深く考えさせられる漫画です。
いつもの、悪戦苦闘しながらもどこか微笑ましいストーリーの方が好きだという方も多いと思います(自分も好きですし、正直自分はこちらの方が好きかも)。
でも、こういう風に描写してくれるスポーツ漫画って案外無いんですよね。
(学校活動の一環として)団体で一致団結して部活をするとなるとどうしてもこんな問題が出てきてしまいます。
サッカーや野球、バスケ部などのような部活に所属していたひとなら分かるのではないでしょうか。
多人数の仲間と共に相手と競う場合にどうしてもでてくる辛さや面倒さ。
自分の友達を例に出させてもらうと、こういう団体で試合をすることによる連帯責任や合わせなくちゃいけないという感じが嫌で個人競技(卓球や剣道、弓道などなど)をしている人が結構います。
少なくとも体育とかでもある程度経験していると思うので、誰でも一度はこの団体競技の負の部分を感じたことはあると思います。
偉そうなことをつらつらと書いてしまいましたが
one for all all for one
一人はみんなのために、みんなは一人のために
今回の漫画を読んで、この上の言葉って常に良い言葉として成り立たないのではないかと自分は考えてしまいました。
良いことばかりじゃないよな、当然だけど
という変に冷めた考えなのかもしれませんが
あぁー自分も空みたいになりたい!(笑)
あんな言葉をかけられるように、自分もならなくちゃね
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